大山 栄一

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 ……ふと思った。 「さっき触ったが、何も影響ないよな?」 「何?何が?」 「お前さんの皮膚に触れたんだが」 「そういえばわからない、私も初体験だから」  考えていなかったが毒なんて持っていないだろうな?同じ地球に生息している生物ですら触れてはいけない奴らがいっぱい居る。地球外生物となったら何があるか分からない。 「……ちょっと風呂入れてくる」  風呂場に向かいお湯を入れる時だった。 〝それ私も同じこと言えますからねー!〟 と大きな声が聞こえた。 「大きな声を出すな!」  こちらも思わず怒鳴ってしまったが、確かにそうだ。人間も他の生き物にとっては毒扱いされても不思議じゃない。わしが触ったあいつの手が腫れる可能性だってある。……悪い事を言ってしまった。  湯を出し、リビングへ戻るとユウタはテレビを観ていた。 画面には偶然なのかなんなのか、UFOの円盤が映っている。 “この窓らしき所から見える影、果たして宇宙人なのか!?” 「……なんだこれ」と呟くユウタ。  どうやら円盤はメジャーな乗り物ではないらしい。
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