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真紀が興味津々にユウタの指を見る。
「わー。それね。折れたりしないの?」
ユウタが自分の人差し指を伸縮させている。
「折れたら怪我をします」
「まぁ、そうよね」
……切り替えないとダメだ。いつまでも否定していたら本当におかしくなりそうだ。頭の中を整理していかないといけない。
深呼吸をする。
そして今、目の前に居るのが異星人だと受け入れた時に一つ思う事があった。
……何しに来たんだ?
そもそもこいつは地球に何の用事で来たんだ?そう思った直後、真紀がユウタに問い掛けた。
「でー、何しに来たの?」
真紀も同時に同じ事を思ったみたいだ。
「ん?」とキョトンとする親父。まさかそんな大事な理由を聞いてないという事は……、うん、ありえるな‥‥。
「え、親父、し、知らないの?」
「ああ。そういえばー、ちゃんと聞いてなかったな?」
「あら?」とユウタも拍子抜けたような表情を見せる。「そういえば私言ってないね!?」そう言った後、急にベロを出し、身体を揺らし始めた。
「わ、笑ってるのよね?」
「目は笑ってないな‥‥」
ユウタの隣に居る親父が再度質問する。
「おいユウタ、地球に何の用だ?」
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