大山 宏文 Ⅲ

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真紀が興味津々にユウタの指を見る。 「わー。それね。折れたりしないの?」 ユウタが自分の人差し指を伸縮させている。 「折れたら怪我をします」 「まぁ、そうよね」  ……切り替えないとダメだ。いつまでも否定していたら本当におかしくなりそうだ。頭の中を整理していかないといけない。  深呼吸をする。 そして今、目の前に居るのが異星人だと受け入れた時に一つ思う事があった。  ……何しに来たんだ? そもそもこいつは地球に何の用事で来たんだ?そう思った直後、真紀がユウタに問い掛けた。 「でー、何しに来たの?」  真紀も同時に同じ事を思ったみたいだ。 「ん?」とキョトンとする親父。まさかそんな大事な理由を聞いてないという事は……、うん、ありえるな‥‥。 「え、親父、し、知らないの?」 「ああ。そういえばー、ちゃんと聞いてなかったな?」 「あら?」とユウタも拍子抜けたような表情を見せる。「そういえば私言ってないね!?」そう言った後、急にベロを出し、身体を揺らし始めた。 「わ、笑ってるのよね?」 「目は笑ってないな‥‥」  ユウタの隣に居る親父が再度質問する。 「おいユウタ、地球に何の用だ?」
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