大山 宏文 Ⅲ

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「まだ決定はしていませんが、第1候補は良き理解者を増やし、住む地域を確保する事です」  ……何だそれは。只でさえ無理難題な事を言っているんだぞ?そんな安直な計画で大丈夫なのか?  なんだか会社で企画会議をしている感覚に陥る。そういえばユウタの余り感情を見せない淡々とした喋り方も正英に似ている。その所為だろうか。 「けっこう無謀な作戦だな。全国のオカルト集団に署名でも取らせる気か?」 「栄一と、あなた達の力が必要です」 「無理だよ、無理無理、そんな事出来るわけないだろ?てかゲルポ人って何人いるんだよ」 「ざっと1800人程でしょうか」 「……それって多いの?少ないの?」 と真紀もに加わる。 「元々はもっと居たのですが遥か昔、宇宙戦争で絶滅しかけたそうです。私が生まれる前の事」  “宇宙戦争”、“ゲルポ人”と未知の言葉が出てくるが今は会議中だと思えばそんな言葉もすんなりと耳に入ってくる。  取り敢えず、一通り相手の案を聞いてみる。 「さっき第1候補って言ったけど、第2候補はあるの?」 「はい、あります。まぁ座って下さい」と言ってダイニングの椅子に座るユウタ。 「……」  残りの3人も椅子に座り、またディスカッションが再開する。
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