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「真希！綾ちゃん玄関に来てるわよ！遊ぶ約束したんでしょう？早く来なさい。」
お母さんの声が聞こえた。ああ、そういえば綾ちゃんと博物館の近くの公園で遊ぶ約束をしていたんだった。
だから、博物館の蛸の事なんか思い出してたんだろう。
「はーい！今行くー！」
玄関にいるであろうお母さんに聞こえるように大きく声をあげる。
それと同時に、バタバタと足音を立てながら玄関へと向かっていく。
身一つで玄関へと走る、まだまだ幼さが残る顔立ちの少女。
玄関に立っているのは、やれやれという表情をした少女の母親の女性と、もう一人の少女。
「ごめんね！綾ちゃん！」
「良いよー、大丈夫だよー」
ハキハキと喋りながら、謝罪を口にする真希に対して、
玄関に立っている、綾は逆におっとりと喋り大丈夫だと口にする。
「はいはい、早くしなさい。ちゃんと夕飯までには帰ってくるんだよ」
そんな、母親の言葉に元気よく返事をした真希は急いで靴を履くと綾の手を取って走りました。
「危ない、危ない」表情は必死なのに、どこか危機感のない言い方をする綾。
「早く公園行こー！」
そんな、綾を半ば引きずりながら走る真希。
長閑な住宅街を少しの喧騒が通り過ぎて行った。
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