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博物館
記憶にある博物館から老朽化が進んだからか、少しボロくなったが、博物館は変わらずあった。
公園からさほど遠くない場所。公園から出てスーパーの近くを通り、道なりに歩くと博物館がある。ボロくなったがそれ以外は然程変化はなく、それが妙に嬉しかった。
近くに人の気配はなく、少し錆びた扉のドアノブを引いた。
キィ、と音を立てて開いた扉。
中は明かりがついており受付の女性がいるだけだった。
「こんにちは」女性と目が合ったため、消え入りそうな声で挨拶をした。
「真希ちゃん?」と、女性は私を見るなり名前を呼んできた。
驚いて、女性の顔をまじまじと見てしまった。
「珠香ちゃん?」
なんとなく、中学の頃同じクラスだった子の面影があった為、名前を呼んでみたら。
「そう、珠香!久しぶり!元気だった?」
「うん、久しぶり。元気」
どうやら当たったらしい。本当に嬉しそうな顔をしている。
「入っても大丈夫?」
一応、入場してもいいか聞くと
「あっ、ごめん、私今からご飯。一人になっちゃうけど、それでも良い?」
なんて、それで良いのかと思ってしまう返事が返ってきた。
でも、一人の方がいいかと大丈夫と返事をした。
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