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暗闇の中、ルドルフは白い肌へ囁きかける。
「ユキ……カーテン、開けてもいいか?」
「……えっ?」
一拍遅れて、深雪は掠れた声で応じた。困惑があからさまだ。深雪はまだ顔を背けたままだったが、その表情は闇の中でも手に取るようにわかった。
「でも、今日満月だろ?」
ああ、とルドルフは肩へのキスの中に囁く。
「一度やりたかったんだよ、狼の姿で。……お前もだろ?」
返事はなかったが、かっと全身に帯びた熱が答えだった。ルドルフはにっと口角を上げてベッドを滑り降りる。ゆったりとした歩調で窓辺へ向かう彼を、深雪も止めなかった。
シャッと涼しい音を立ててカーテンが開き、眩いほどの月明かりが部屋へ差し込む。その光に目を眩ませ、次に深雪の目に映ったのは、真っ白な神々しいほど美しい、狼だった。
彼はしなやかな足取りでベッドへ戻り、優美な仕草で深雪に跨った。
先ほどまでより早く脈が打っている。興奮を誤魔化せない。とろんと、魅せられたように彼から目を逸らせずにいると、ルドルフは顔を屈めた。ぺろりと唇をなめられ、ぞくりと肌が震えを抜ける。味わうような舌に、深雪も応じて、白い毛並みへ両手を伸ばす。ふわふわとした感触に、両腕に抱き込みたい衝動を抑えるので一杯だった。
ルドルフの熱い舌が首筋を這い、全身をくまなく舐めていく。同時に微かに撫でる毛先に感触にぞくぞくする。不意に訪れるそれだけで、達してしまいそうだった。
下腹部を舐めていたルドルフの舌が、屹立に触れ、深雪の身体がびくっと痙攣する。既に呼吸は荒いが、何とか保って、深雪は目を開けた。
射抜くような鋭い淡褐色の瞳が、僕をじっと見つめ返していた。次の瞬間、一気に根元まで咥えられ、深雪は大きく呻く。数秒もしないうちに達していた。
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