200人が本棚に入れています
本棚に追加
10月30日(水)
昨日は取り乱してすみませんでした。
今日の仕事帰りに、空青の部屋に寄りました。もちろん、昨日のことを問いただすためです。
以下、今日の空青との会話です。
「くぅ、来たよー」
「ああああああああああああああああああああああああああああら、あらたあああああああああああああああああ」
(いや、もう。昨日のことなんて吹っ飛ぶくらい、かわいいよね。俺が玄関に現れるや否や、半べそ状態で飛び付いてきました)
「お、おま、昨日来なかったからぁ……俺っ、なんかしたかと思って」
(一日姿を見せないだけでこれですから、俺が色々と心配になるのも皆さんわかるでしょう?)
「う、うん。とりあえず一旦離れようか」
「あぁ、ごめん。俺みたいなキモいやつに抱き付かれて迷惑だよな……新はかっこいいし」
「迷惑じゃないし、くぅのことキモいなんて一回も思ったことないよ」
(くぅは、とりたてて美形というわけでも、かわいい顔をしているわけでもないですが、決してブサイクではありません。なんていうか、愛らしい顔をしています。それに、この後ろ向きな性格が俺にとっては、ものすごくかわいく思えるのです)
「そんなことより話があるんだけど」
「話? なになに? 聞くよ」
「昨日、くぅを見かけたんだけど」
(この時のくぅの顔といったらありませんでした。絶望という二文字が顔に書かれているようでした)
「一緒にいたの誰?」
「あ、ああああああ、あれはっ、ちが、違う。そのっ、とも、友達っていうか、いや俺なんかが友達なんておこがましいけど、それ以外、言いようがないから」
「誰?」
「あ、あ、あおいちゃん。イラストレーターやってて、そのっ、今度一緒に仕事するんだ」
「どんな仕事?」
「何人かのイラストレーターで個展を開くことになって、あおいちゃんもそのうちの一人で」
「え、もしかして、こないだ会った仕事関係の人? くぅがそらおになった日」
「そ、そう! 実はあのあとメールがきて、本当はそらおじゃなくてくうせいだって知ってたって。俺が緊張してるみたいだったから笑わせようと思って言ってくれたみたい」
「ふーん。それでもう昨日、デートしたの?」
「で、でっ、デートとかじゃないよ! あおいちゃん、苗字が楡崎で名前のほうは青に衣って書いて、あおいっていうんだけど、あおいちゃんも名前なかなかその通りに読んでもらえないらしくって、そういう話をメールでして意気投合して、それで」
「それで?」
「あ、う……だから、その」
(はい、もう俺やばいやつ。自分でも底意地悪いなあって思うし、陰湿だとも思うけど、そもそもこないだ会った仕事関係の人が女だって聞いてないし、それに会う必要あった? なにがどうなってその青い衣がくぅにアポ取るわけ?)
「あした、あした話すからっ」
「なんで明日?」
「なんでも!」
という感じで、なんか知らないけど明日色々と判明するようです。とりあえず寝ます。
おやすみなさい。また明日。
最初のコメントを投稿しよう!