供食家族

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うちの食事は他言厳禁。 勝手に自分たちが決めた約束事、だって、お母さんに言われたから、「うちの食事をよそに喋ったらもう二度と作らないよ」と。 その言葉を言われた時はゾッとした、全身が震え、泣いた、叫んだ、もう二度と食べられなくなるのは嫌だ! だから、絶対言わない。きっちり、いい子で過ごす。あいさつだって、みだしなみだって しゅくだいだって、ともだちだって、ちゃんとしていい子で誕生日まで過ごせばあじわえる。 まだ小学一年生の弟だって、小学三年の妹だって、もちろん、小学6年先の姉でもだ。 そうやって過ごしてきて、今、私の誕生日がもうすぐやってくる。10月13日。 特別な人だけが好きな物を食べれる特別な日。 お母さんの指がこれ以上無くなるのは悲しいけど、左手の最後の1本。小指をやっと食べれる日があと3日! 布団に潜らなきゃ寒いのに、なんでか胸がうるさく、顔が暑くて寝れない。カチッカチッっと目覚まし時計の針の音が頭の中に何度も何度も何度も反芻する。 目に力が入りすぎて眠れない。
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