供食家族

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ジリリリリリリリリリリ 1回目の目覚ましが鳴る。どうやらあのまま考え込んで寝てしまったようだ。 でも、あと2日。今日は学校、明日は休み。 一ヶ月前から、こんなふうに毎朝残りの日数を確かめながら布団を畳み、着替えて、ランドセルをもって部屋から出て、顔を洗い、歯を磨き、髪の毛を整える。 ふと、重いぼーっとする朧気な眠気が薄れていく。 赤だ。鏡に映る見慣れた顔に。右目が充血していた。 全身から汗が止まらず、頭がかーっとして、持っていたブラシが自分の手からふっと離れて落ちていく。 どうする!? あと2日なのに、昨日眠れなかったせいだ、でも! 体の隅々が心臓を中心に集まって言って自分が世界と離れて言ってしまう脱力感 が襲う。 これじゃあいい子じゃない! 目が赤い子なんていない、こんなの気持ち悪い どうする!? 白く目を白くしなくちゃ 白く、白く、白に塗らなくちゃ えのぐ、絵具だ! 急いで自分の部屋に駆け込む。脱力感を拭い捨て足の指に力を入れ、階段を登る。 この時、家の決まりを彼女は破ってしまった
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