東山彼方という男

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私立金持学園。 そこは各界のご子息ご令嬢が通う、エリートによるエリートの為の高等学校である。 金持学園に入学し、教育を受ける権利を有する条件はたった一つ。 通常の公立高校の10倍ともいえる授業料の支払いである。 その条件さえクリア出来れば、金持学園への入学及び進学が認められる。 勿論、進学する為の中間・期末試験、各授業の宿題等は制度として存在するが、将来親の会社を継ぐ為のお勉強の邪魔にならない程度の存在でしかなく、ただ一般常識を学ぶ機会が設けられているだけだ。 金持学園には、授業料を幾ばくか免除される“別枠学生“という特例が一つ存在する。 それは、通常の授業料が払えない場合、本校の学園生徒の推薦を受けて、その人物が学費を肩代わりするというものである。 ただし、ここは体裁とプライドが渦巻く金持学園。 その制度を利用したものは、過去1人もいない。
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