会いたい気持ち

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「本題に入りますが、明日から登城されなかったお宅を訪問します」  ジィが国王と決めたことを説明し始めた。 「リストで確認をしたところ、両手で余るくらいでした。調べると僻地ばかりでしたので騎士団に依頼し、靴と共に訪問していただきます。少々時間はかかりますが確実な方法です」  俺も行きたいが、僻地となると危険も伴う。長期間、城を空けることも難しい。 「わかった、お願いします」  素直にペコリと頭を下げるとジィは少し驚き、笑って言った。 「ご安心を。全ては上手くいくはずです」  その顔は俺も見惚れるくらい格好良かった。 ・・・・・  騎士団の3分の1を投入して行われた計画は約1ヶ月近く続いた。ジィはこまめに経過報告をしてくれたが、俺はほとんど聞いていなかった。何も手につかないくらい、彼女に会いたかった。  ジィに、月に、国王に祈る日々が続いた。  そして祈り過ぎて諦めの境地にいたころ、騎士団は城に3人の女を連れてきた。使用人たちは大騒ぎだ。俺も噂を聞き、緊張が走る。  会いたかったのに、あれほど恋しかったのに。でもまた、彼女がいなかったら?  思考の渦に巻き込まれていると、執務室のドアがノックされた。ジィが失礼します、と顔を出す。 「王子、彼女について確認をお願いします」  頭の中が真っ白になってしまった。  動けなくなった俺を、いつかの日のようにジィが手を引きズルズルと連れていく。廊下がやけに長く感じた。泣きそうだ。 「何を怖気ついてるのですか、男らしくない」  この際だから女がいい、女になりたい。でもネコはやだ。などと意味のわからないことをブツブツ言ってると、ジィに睨まれた。  応接間の前に着き、俺を引っ張る手が離れるとますます不安が強くなる。 「私はここまでです。ここから先は自分の目で確かめてください」  ジィが下がり、背後から俺を見守っている。  どうしよう、腹が括れない、勇気が足らない、ドアが開けれない、迷ってしまう。ウジウジしてモンモンと考え込んでしまう。 「!」  いきなりジィが俺の尻を鷲掴みにした。 「いい加減にしろ、クソガキ。お前のためにいくら金と人員と俺の手間がかかってると思ってんだ?」  ビビって固まってる俺の耳元でジィは低い声で続けた。 「それとも女になるか? 俺が手解きしてやるよ」  ヒィィ!!   「ごめんなさい、行きます! 男らしく行かせていただきます!!」  ジィは俺から手を離して微笑んだ。 「では決意が鈍らない間に。どうぞ」  変な汗と緊張の汗を滲ませ、俺は応接間のドアノブに手を伸ばした。  ノックをしてドアを開ける。するとソファーに座っている3人の女が、立ち上がり振り向いた。  俺は目を見開いた。  そして彼女に目が釘付けになった。  頭上で声がする。 「全ては上手くいったでしょう?」
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