愚痴を吐くのはお酒とともに

4/12
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
このまま自宅付近のコンビニに寄って安い弁当と発泡酒を買ってアパートで消化して寝る。 最近は仕事を終えて帰宅してもそんな味気のない生活の繰り返し。 休日も特にすることもなく、起きて飯を食ってテレビを見てまた寝てと、まるでニートのような過ごし方をしている。  『プライベートが充実していないから仕事も上手くいかないんだ。  まずは私生活から見直して見たらどうだ?』 3日ほど前に上司に言われた言葉を、トボトボと、仕事終わりとは思えないほど重い足を前に進めながら思い出していた。 しかしまぁ趣味もないし、学生時代にやっていたサッカーも1人では出来ない。 ーーーこの仕事、営業向いてないのかな・・・。 考えれば考えるほど思考がネガティブになっている。 周りを見ると部活帰りであろう制服を着た高校生、恋人繋ぎで手を握りながらイヤホンを片方ずつシェアしながら音楽を聴いているカップル、飲み屋を探しているスーツを着たグループなど、自分以外の周りはとてもカラフルに見えた。 そんな幸せなオーラに当てられ、眩しさから目をそらすようにそそくさとみちの端を歩いた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!