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確かにその後、「死の天使」の名が、俺の住む地域をおびやかすことはなくなった。
本当にケイが死の天使だったとして、さみしくなって誰かの隣にもぐりこむ少年のような夜が、たとえ人殺しをした夜だったとしても、俺の中のケイが姿を変えることはない。
ただ、そばにいられないことが、もう会えないことが、せつないだけ。きらきらした笑顔を、俺にしがみついて眠る時のせつなげな顔を、俺は忘れない。忘れられない。
それだけだ。
END
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