そのまんまの君が好き

「.......瑛輝」

真っ直ぐにあたしを見つめる瞳に嘘があるようには見えない。

「俺は、恭香の底抜けに明るいところが大好きなんだよ。だから、そんな元気ない恭香じゃいやだよ」

「.......うん」

「どこまでもプラス思考な恭香にいつも助けられる。だから、これからも俺の大好きな恭香でいてください」

「.......はい」

好きな人の言葉ってこんなにもすごいんだ。
あんなにも不安だった気持ちが彼の言葉ひとつで吹き飛ぶ威力がある。

「なんで、罰ゲームのこと？」

「うん、この前の放課後に瑛輝たちが教室で話してるの偶然聞いちゃって.......」

「あー、あの時か.......。ちゃんとみんなには説明しようと思ってるから。不安にさせてごめんな」

「もういいよ」

「そのまんまの恭香が好きなんだから、もうちゃんと食べてよ」

どうしても好かれたくて、食べないことをきめた。
でも、ちゃんと初めから聞いておけばよかった。
でもそのまんまのあたしをすきだと言ってくれるから、もう無理なダイエットはやめた。

「瑛輝、大好き」

あたしの言葉を合図にふたりの唇はそっと重なった。

Fin