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しかし、手元を見ると四歳児のお姑さんの指摘はピタリと的を射ていた。小さめの紙パックに入った液状のホイップクリームは、ボウルに注がれたそのままの状態を保っていた。右手に持ったハンドミキサーは全く仕事をしておらず、左手に至ってはもはや何のためにボウルを押さえていたのかわかったものではない。
「ねえママー」
急いでクリームを作らねばとハンドミキサーのスイッチを入れた私に、再び瑠花からのカウンター越しの声が飛んできた。
「ん~?」
ビチビチビチビチと跳ね返ってくるクリームと格闘する私を、カウンターに身を乗り出しながら瑠花は興味深そうに眺めていた。
「ママはどうしておなじ指に二つも指輪をつけてるの?」
私の左手、薬指のあたりを指さしながら、瑠花は首を傾げる。
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