最終話 父と娘とじゃっじゃ~ん

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 ……ねえ、あなた。私ちゃんと素敵な人、見つけたわよ。とっても優しくて落ち着きのある人。あなたのことを話したら、あの指輪をつけることを許してくれたほど心の広い人よ。またとない幸運だわ。  それに娘だって生まれたわ。親に似たのかしらね、とっても優しい子よ。お手伝いも積極的にしてくれるわ。四歳になって言葉も覚えてきたのかしら。おしゃべりが楽しくなるばかりで毎日飽きないわ。まあ、変な言葉遣いまで覚えちゃってるのが玉にキズだけどね。  パパもイクメンぶりを発揮してくれて助かってる。幼稚園のお迎えにもよく行ってもらってるし、週末には瑠花と遊んでくれてるしね。幼稚園では他の家の子供にも懐かれてるみたい。妻として鼻が高いわね。  だから、安心して。あなたの我儘ちゃんと叶えたから。幸せに、なったから。  私は完成したショートケーキを包丁で切り分ける。初めて作ったときから、だいぶ手際が良くなったものだ。
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