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「あ、パパだ~!」
玄関のがちゃがちゃという音を聞きつけ、瑠花が駆けていく。いつもの光景だ。
「ただいまー」
「おかえり~‼ パパ~だっこ~‼」
「おー、瑠花。今日も元気だなー」
よいしょ、という声が聞こえてくる。どうやら瑠花は今日もパパの腰にダメージを与えることに成功したらしい。
「おかえりなさい」
「ただいまー……って、ありゃ」
片手で瑠花を抱えながらリビングに入ってきたパパの手元を見ると、ケーキ屋のパッケージらしい白い箱があった。ちょうどホールケーキが入っていそうな大きさだ。
何やらきまりが悪そうな表情を浮かべたかと思うと、パパは瑠花を床に下ろし箱を開けてみせた。
「かぶっちゃったか」
中に入っていたのは丸々としたショートケーキ。キッチンに鎮座する私が作ったケーキに対し、堂々と存在感をアピールしてくる。
「あ、パパもママとおなじのもってるー」
二つのケーキの存在に気づいた瑠花が、楽しそうに声をあげた。
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