祭壇

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 水の繭  やさしく揺れる揺り籠  するりするりと生まれおちる  命の源  私自身誰なのか  知らずに今を生きて  居場所をみつけたくて  みつめる  さがす・・・  ガラスケースからの景色  変わらぬ日々  いつもと違う足音  いつもと違う・・・  あぁ・・・  ・・・  私の居場所・・・  今!  私はあなたの  あの方の命を紡ぐ糧となる  そう  そうよね  あの方に差し上げる  手もあり足もある  身体()も美味しそうでしょ    今この時  今の時代に生まれ  私を食べるあの方  私が食べる・・・・・ううん  食べられる私  あの方に選ばれ心踊る  近くに  そばに  私にはない白銀の毛並み  陽にそまり美しく光りしなる身体    あぁ  脈打つ首筋  最後の瞬間まで  この()に焼きつけさせて  心に刻みながら()くから            
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