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(本当か?
俺は大歓迎だよ!
だけど魔夢のやつが内緒って・・」
キンは困ったようにまたジュニアの周りを泳ぐ。
「じゃぁさ、一度も戻って相談しなよ、どっちにしても金貨を換金しなきゃ困るんだろ?」
彼の提案にキンは急いで祠に戻った。
「え~!あの子の兄さんに話したのかい?
なんてバカなんだい、内緒ってあれだけ言っておいたのに・・」
(でも金貨を換金するにはジュニアに助けて貰わないと・・
俺達魔物じゃ換える事なんか出来ないじゃないか)
魔夢に怒られキンは困ったように龍様の陰に隠れてそう答えた。
「それでもそんなやつに話して、此方の計画がばれたりしたら何にもならないじゃないか」」
魔夢は呆れながら龍様の陰からチラチラするキンの尾びれを見る。
「良いんじゃない、ジュニアは頼りになるわよ。
それに彼も贈り物を考えてたなら仲間に入れてあげましょうよ」
笹羅は困ったキンの様子に微笑みながら助け舟を出す。
「そうさな・・
良いんじゃないか、どのみち人間のお金作るには人間に助けて貰わないとだし」
銀牙と鯰も口を揃えた。
(魔夢、あやつなら信用できる。
どうだ仲間に入れてやっては)
龍様の言葉に魔夢は渋々ジュニアの仲間入りを認めた。
(そうと決まれば魔夢早速ジュニアの所に行くぞ)
キンはそう言うといきなり魔夢を飲み込んだ。
「キンちゃん!
何を?」
笹羅が慌てて聞いた頃には、キンはもう祠を飛び出した後だった。
(なに、心配ない。
きっと魔夢の助けが要るとジュニアに言われたのだ・・)
龍様は笑いながら残った者達を見る。
(どれ、人の姿は疲れる・・
我は一休みする。
お前達も休んでおけ。
あの調子では魔夢が戻ったならまたひと騒ぎありそうだ)
龍様が姿を消すと魔物達も其々に眠りに着いた。
笹羅は静かになった祠を見回す。
辺りに邪気が無いのを確めると洞窟を後にした。
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