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魔夢はあの時の狭間の泉の畔を想いながら雪南を見る。
ジュニアの守り手となった今でも私はこの子の母親なのだと思った。
「慧兄さん、遅くなりました」
ジュニアは慧の書斎のドアを開ける。
そこには見た事のない人達が慧を囲んで笑いあっていた。
「ほう、この青年がルイの長男かい?」
少し目の鋭い男の人がジュニアを見ながら慧に訊ねる。
「ああ、なかなかの好青年だろ?」
慧もにこやかに答える。
「ねえあなた、雪南さんとは雰囲気が違うわね。
やっぱり力を持ってるからかしら?」
そう言うのは何処かで見たような女の人だ。
「マリア、双子と言えど二卵性だろ?
違って当たり前さ」
目の鋭い男の人が女性に向かってそう言いながらジュニアをまた見る。
「二人とも、品定めはそれくらいに。
ジュニアが困ってるじゃないか」
慧は笑いながらジュニアに椅子をすすめた。
「後はあいつだけか・・」
「ん、渡辺くんは真っ直ぐに店に行くと言っていた」
「ケイ、どんなサプライズを用意してるの?」
マリアは目を輝かせて慧に詰め寄る。
「ジュニア、お母さんには話してくれたかな?」
慧の問いにジュニアははいと答える。
「じゃ作戦会議といこうか」
慧はそう言ってからキンを呼んだ。
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