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「ルイさんお久しぶりです。
そのせつはお世話になりました」
マリアが笑顔でルイに声を掛けた。
「マリアさん、相変わらずお綺麗ですね。
お仕事も順調そうで、この間のCD も評判が良いと聞きました」
ルイも笑顔で二人を見つめた。
そこに向かいで経理事務所を営む山崎が入ってきた。
「ルイくん、いつもの・・
これはなんと!
キラくんと・・
マリアさん?
どうしてまた二人一緒に」
「あっ先生、そうか、先生は事故で記憶が飛んでましたね。
実はこの二人、18年前に結婚したんですよ」
山崎は驚いて二人を見る。
「そうでしたか・・
僕は18年前の事故で記憶がね・・
その後も戻らなくて、何、戻らないからと言って困る事もないのでこの頃はそれさえ忘れていたものだから」
「そうですね、先生が困らなければそれで良いと思いますよ・・」
キラはそう言って山崎を見る。
「先生は今も事務所に?」
マリアはそう聞いてからキラを見上げる。
「実はこの人が此方の大学に呼ばれまして・・
この年齢で独り暮らしも寂しいかと私も付いて帰国したんです。
それで私達二人の印税なんかをお任せ出来る会計の方を探していまして・・」
「ほう、それは・・
でも其なら僕より美也子君の方が適任かと思いますよ。
僕の事務所も今は殆んどが彼女の顧客でもってるようなものだし・・」
そう言うと取り合えずいつものをとテーブルについた。
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