2

1/10
118人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ

2

   白い天井、白いベッド。チャイムの音とドアをノックする音に目が覚めて、一番に飛び込んで来る色が青じゃないのは辛い。外は曇っていると言うのに眩し過ぎるんだわ。 「はぁい」 「おはようございます。ちゃんと起きてくれて良かったです」 「目覚ましまでまだ一時間あるのにー」 「余裕を持って準備した方がいいに決まってるでしょう」  三隅さんの垂れ目から覗く黒い瞳はどこまでも冷静でやんなるなー。ちょっとくらい、例えば寝起きの俺にときめくとかないのか。 「昨夜は遅くまで?」 「11時には寝ましたよー。やっぱアメニティがリッチだし、八時間寝るとお肌の手触りが違うわーツヤツヤでしょ?」 「……………」  ナニその間。なんか突っ込むとか頬っぺた撫でてみるとかすりゃーいいのに。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!