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レアドロップ
「ềốẴỆịểỮ𐬍((ファイアーボール))」
女は棒を掲げなにかを呟く。命乞いか?
だとしたら態度がなっていない。睨みつけながらの命乞いというのは、いや、だとしたら……
ああ神頼みか。
神は死んだ。あんだけぽこぽこモンスターが湧くんだ神は死んだのだよ。まぁわからないか。
たく、だというのにまだ神を信仰している市民たちが信じられんよ。
そもそも神を称する龍を殺したのは俺たちだ。断言しよう神はしんだ。
神頼みでもお前たちに明るい未……
その思考は飛来した火の玉で打ち切られた。
火の玉。明らかにいま目の前の女が放った。
どう見てもおかしい、見間違いか?
そういえばハンターギルドの爺さんが年になってくると今まで殺したモンスターの幻がみえるとかなんとか。
俺も歳ということか。
眼医者にも行って診療して貰お。
「ềốẴỆịểỮ𐬍((ファイアーボール))!」
うわっ!やはり幻じゃなかったか。
再び飛来した火の玉に今度は避けずに当たってみる。
皮膚に当たった火の玉は弾けて消えた。
ハンターなら赤い普通の火の中なら裸でもダメージを受けないなんて当然だろ。
何を驚いてる?たしかにお前が使ったその奇術には驚いた。モンスターしか使えない能力じゃないか。ってね。
それを俺たちハンターも使えれば皮膚から毒を垂れ流したり切られた腕から体が生えて分裂したりとモンスターの能力を得てさらに強くなれるんじゃないかってな?
踊り子のように大きく足を振り上げた俺は、男にすがり何やら光を浴びせている白い服で胸元をあけた情婦?いやビッチか?そいつを無視して男の頭を思いっきり踏み潰した。
飛び散る血と、残る遺品(ドロップ)だ。
どういう訳か体から取れない鎧を死体を引きちぎって回収する。
下顎と首のない頭を掴んで耳をナイフで切り取る。討伐証明用だな。
見たことのない生き物だったし、多分人間ににたモンスターだろう。火を吐く人間はいないし。手から緑の光を出すのも見たことがない。
男の方は普通だったな。
雄は地味で雌は派手というモンスターも少なからずいるし、そういう系だったのだろう。
あれは生け捕りにしたら高くプレイヤーや有力者が買ってくれそうだ。
いつのまにか逃げたのかいなくなった女たちを無視して服や装備品のドロップを回収して行く。
ズボンを弄っていると何やら手に当たった。
取り出してみると銀色に光るカードだった。
「うん?なんだこれ」
曲がらない、よくわからない素材でできた綺麗なカードだった。
ああ、レアドロップか。俺は納得した。おそらく素材屋で高く買い取ってくれるとか、武器の強化素材とかそんな感じだろう。
あらかた剥ぎ取り終わった俺はもう一つの集団に見つからないように茂みに隠れて観察することにした。
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