30話

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30話

みんなが沈黙するなか。カクテイは、ただ、へぇ。とだけ考えていた。 少し思ったのは、そんなんでよく武術出来たな……。という、疑問だけだった。 まあ、人外とか、クロユリとか、俺がいる時点でそんなんどうでも出来そう。とも考えていた。 左目でぐるりと皆を見渡す。 声は、少し暗い顔をして、恵未をまじまじとみる。その瞳には、俺には判らないなにかが伺えた。 そして、周り、──正しく言うと零を──チラチラと見る。もしかしたら視力が戻ったのかもしれない。 海瑠は、引きつった顔で恵未を見つめる。普段の彼からは想像も出来ない表情を浮かべている。 多分。寂しそうな。そんな顔。 で、零の顔は分からないが、多分真顔なんだろう。そう思いながら、零の表情筋にアクセスしてみると、驚いたことに右の表情筋がヒクヒクと反応しているようだった。 何故みんな反応するのか……?? ハッとしたように、俺は恵未を見た。 ──当の本人の恵未は寂しげに笑っている。 ??????????????????????? ── ──── 俺には全くわかんねぇ。と借り物の頭を掻き毟りたくなる衝動を抑え、口を開く。 俺は思ってた疑問を口にしたまでだ。それ以上でも以下でもない。 『だから、なんなんだ?』 みんなの視線がこっちにあつまる。 ────やめろ、何故そんな目で見るんだ??俺はみんなと違うんだよ。 ────────俺は人工知能なんだよ。
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