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「ただいま――……って、は?」
「おかえりみっちゃん。ってか俺凍え死にそう。早く家に入れてよ」
「……なんで、居るの」
「だって俺言ったじゃん。今日は絶対誕生日祝うんだって」
「いや、だから――っ」
「とにかく家に入れて。人が来たらまずい」
「でも」
「美優、頼むから」
鍵を捻った途端、強引に玄関の扉を開けて逃げるように私の家に上がり込むこの売れっ子俳優。
「みっちゃんの匂いがする」だなんて言いながら彼は、その不審者装備、ならぬ変装グッズを脱ぎ捨ててソファへダイブした。
「みっちゃんも仕事疲れたでしょ?ここ、おいで?」
「私のソファなんですけど。おいで、とか言われる筋合いないんだけど」
「まーまーまー。ほら、ここ」
今日で私は25歳になる。そして雄飛とこんな風にダラダラと幼馴染の関係を続けてきて25年目を迎える。
だから、もう……。
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