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雄飛はその答えを、未だに教えてはくれない。
「本気、だからだよ」
「そっかー。じゃあ俺も、本気出さなきゃね」
「……」
だからこの決断は、間違ってなんかいない。
彼には彼の、私には私の世界があるんだから。もうお互いにいい歳した大人なんだから尚更、想い合えばいつか必ず報われる――……だなんて悠長なことは言ってられない。
“俺も、本気出さなきゃね”
雄飛のその言葉の意味を、この時の私はまだ理解していなかった。
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