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頭の中で考えることと、気持ちの中の考えが一致しない。
雄飛を拒んでいるはずなのに、その姿を捉えただけで押さえていた気持ちが一気に溢れ出ようと、塞き止めていた壁を壊そうとする。
「……ねぇ、なんで俺じゃダメなのみっちゃん?」
「……」
「俺達ずっと一緒にいたでしょ」
「………」
「なんでそうやって、俺との間に線を引こうって躍起になんの?」
「最初に私から離れてったのはアンタじゃん!」
あの時からずっと、雄飛を諦めようと思ってきた。
彼が事務所に入ってすぐのこと。
泣きながら私の部屋で『もう辞めたいよみっちゃん』と言って大泣きしていた雄飛に『辞めちゃいなよ』って言えなかったのは、頑張っている姿を知っていたから。
あれだけ泣き虫で、怖がりで、1人じゃ風邪薬すら飲めなかった雄飛が、ドラマのオーディションに合格するためにずっと練習していた姿を1番近くで見てきたから。
何台ものカメラを向けられる事が苦手だって泣いた彼が、それを克服したこと。
何本ものドラマや映画に出る彼が『台詞がごちゃ混ぜになる』と苦戦していたこと。
映画の監督にものすごく怒られた日のこと。
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