01.私の決意と彼の決意

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◇ 「おめでとう!」 「寿退社なんて羨ましい~!」 「幸せになってね!」 これでもう、何回目? 何回、おめでとうってニッコリ笑いながら目がチカチカする程のカラフルな花束を人に手渡してきた? 私よりも若い子が何度、隣の席を”寿退社”だなんて理由で退いて行っただろう。 「さて、山崎さんも帰ったことだしあたし達も帰りましょうか」 「本当、山崎さん幸せオーラ全開でしたねー!」 「そりゃだってアンタ、結婚したての今がもうピークよ、ピーク!」 「……」 女の幸せ、なんてモノは結婚が全てじゃないし、寧ろ今のご時世一人を満喫することに何ら違和感を感じずに生活することが出来る便利な世の中に進んでいってくれている。 だから《おひとり様》は決して負け組なんかには当て嵌まらない。
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