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(なんだろう……笑われているのにちっとも嫌な気持じゃない)
確かにチャーハンに餡子は不味かったかと私自身でも思ってしまえたから。
「しかしそこから出発だとしたら相当努力せな人様に食べさせられるもの作るようにはならんとちゃうか」
「そうかも知れません。でも私、お料理好きなんです! 私が作ったものを美味しいって食べてもらいたいんです! 笑顔になってもらいたいんです!」
「……」
「だから特訓しているんです!」
「……」
「きょ、今日は……その、ありがとうございました」
「……俺なぁ、学校がある日は週2でバイトしてるんや」
「? はい」
「それ以外は……まぁ、結構ヒマをもてあましていたりするねん」
「……はぁ」
「俺が教えてやろか?」
「はぁ───……は?! えっ!」
「文化祭まであんたの特訓つきおうたるよ」
「えっえっ……そ、そんな恐れ多い!」
「なにゆーてんねん! あんたひとりじゃどーにもならんやんか! 先刻一瞬見ただけで俺は何もかも悟ったで」
「は、恥ずかしい~~」
「阿呆、恥ずかしがらんでえぇ! 特訓して美味いもの文化祭で出して部員ガッポガッポゲットじゃ!」
「は、はい!」
「よっしゃー。えぇ返事や」
「……」
(なんだかいきなりとんでもないことになってしまったけれど……)
私にとっては心強い味方が出来たという展開に心の奥底が浮き足立っている気がしたのだった。
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