クッキングアシスト

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無事に目的を達成した私は人目もはばからず高城くんに泣きながらお礼を言っていた。 そんな様子に周りから色々囃し立てられてしまったけれど、高城くんが持ち前の話術で瞬く間に和やかなものにしてしまった。 (本当にすごいよ……高城くん) 私は口に出してはいえない気持ちをずっと心の中で唱えていたのだった。 校内の文化祭の後片付けも終わり人がまばらになった頃、私も調理実習室で調理器具などを洗浄していた。 そして何故か高城くんも『手伝う』といって一緒になってシンクに向かっていた。 「えぇ加減落ち着いたかいな」 「……うん。みっともないところをお見せしてごめんなさい」 私はずっと感激の涙を引きずっていて未だに少し目を潤ませていた。 「えぇんとちゃう? それだけ頑張ったってことやろ。好きなだけ泣いたらえぇやん」 「……うん」 勿論念願叶って正式に料理部が出来ることは嬉しいのだけれど…… (高城くんとはもうこんな風に近くで馴れ馴れしく話出来ないのかな) そう思うとまた胸がズキズキ痛んでしょうがなかった。 例え高城くんが部に入ってくれてもこれからは単なる同じ部活の仲間という立ち位置になるわけで、それは他の部員の女子も同じことで…… (私だけの──ってわけにはいかないんだよね) 私はいつの間にか随分欲張りになってしまっていたようだ。
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