クッキングアシスト

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クッキングアシスト

季節は金木犀の花が満開の頃──。 開け放たれた調理実習室の窓からふんわりと漂う甘い香りに少しだけ酔いながら私は今日も力強くフライパンを振っていた。 文化祭まであと二週間。私は放課後になると調理実習室にこもって一生懸命料理を作っていた。 「あんた、何してるん?」 「!」 一階にある調理実習室の窓からひょいと顔を覗かせた男子に驚き、一瞬呆けてしまった。 窓枠に頬杖をついていたその男子はある意味有名だった。
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