忘れないように貼ったはずの……

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忘れないように貼ったはずの……

古い記憶のガラクタ箱が浮かぶ、 箱の中から汚いノートを見つけ出す。 所々に付箋紙が貼り付けてあるけど、 記憶に無いと思いパラパラ捲る。 ふと目にした目立つ赤色の付箋紙に、 "12月24日 笑顔が戻った日" ……と書いてある。 なんだろう?と思い読んでみる。 『今日で、親類のところでお世話になり一週間が経つ。 ココは、母方の実家だ。 ココに来た訳は、父親がギャンブルと浮気にボケてぼくたちと借金だけを残して家を出て行った。仕方ないからと母親が親類の家にぼくたちを預けてもらう事になったが、母親も違う男をつくりそれっきり。 この日、夕飯を済ませ間もなく姉と一緒に居間へ呼ばれる。近づくと静まり返って真っ暗で、見えないながらも扉を開けると、今日はクリスマスイブだから一緒にパーティしよう!と、ケーキに挿したローソクの灯りがぼんやりゆらゆら揺れている明るさの中、親類兄妹たちの顔がニヤニヤウキウキして居る顔が並んで居る。 招かれたぼくたち姉弟もローソクの灯りに照らされて、姉を見ると何ヶ月かぶりかのホントの笑顔がとても嬉しそうで眼に焼き付いた、ぼくも嬉しい日になった……今までの生活には無かった、忘れられないクリスマスイブになった、ありがとう。』 記憶のガラクタ箱の汚れたノートは、ぼくの辛い過去であり忘れられない経験だ。小学校低学年だった頃の、 頭の中の消えかけた付箋紙だった……
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