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「妻に璃子先生の話をしたら、すごく会いたがりましてね。先生と同い年だし、きっと話も合うんじゃないかと・・・」
ただただ胸が痛むばかりで・・・その後の話は、まったく聞こえなかった。
ああ・・・どうして最初に確認しなかったんだろう?
彼女どころか、奥さんがいるなんて・・・
私・・・何にも知らなかった。
いや、知ろうとしなかったんだ。
彼の事など何も知らずに、勝手に盛り上がって・・・独りよがりな恋をしていただけ。
それはきっと、この先も・・・
だったら、いっその事・・・恋なんてしない方がいい。
男なんて・・・男なんて、もうウンザリだわ!
11月の冷たい風が、今日も私の頬を掠めて行く・・・
これは、一生忘れられないあの人に出会う前・・・ほんの数ヶ月前の出来事だった。
~ fin. ~
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