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とりあえず誘うことは出来た。
授業を受けつつ、色々と考える。
西浦は結構素直なタイプだから、いやいや
了承したということはないだろう。そこは
確信している。
問題は当日だ。昨日調べてみたが、遊園地
というのはデートの定番でありながら、中々
デートの難所でもあるらしい。
１つ目に、長い待ち時間による会話終了。
まぁこれは平気だろう。西浦との会話が途切
れたことはないし、会話がなくとも気まずく
なったためしがない。
２つ目に、あり得ないほどの人混み。これ
は問題だ。俺は身長が１８０くらいあるから
そうそう埋もれることはないが、問題は身長
１５０ちょっとの西浦だ。下手をしたらまず
埋もれる。危ない。
携帯で連絡を取り合えば解決するが、２人
とも初めていく遊園地ではぐれると見つける
のに時間がかかるだろう。そうなるとデート
の時間が減る。それは嫌だ。出来るだけ一緒
にいたいのだ。
３つ目に…一番の問題であり主題である
キスのタイミング。最近は西浦が積極的に
場を設けてくれているが、出来るならば俺
からしたい。
いつやれば良いのかと俊にメールで聞いた
ところ、返ってきた答えは
『好きだと思ったときにやれば？』
だった。そんなもんいつもだ。でも出来て
ないんだ察してほしい。
とりあえずその後送られてきたオススメ
スポットとしては、観覧車や恋人用スポット
などの定番をいくつかと、ナイトパレードや
帰りの駅などの中々目立つところも書かれて
いた。
「……はぁ……。」
今度こそ成功させたい。というか、俺が
キスしたい。嫌われない程度に、だが成功
出来るように。
少しだけがっついてみようか。なんて考え
ていたら授業が終わっていた。マジか。
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