遊園地に行きましょう

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 「瑞季ー!瑞季、瑞季瑞季瑞季瑞季!!」  「はいはいどうしました?」  休み時間になり、隣のクラスで自習して いた瑞季のところに突撃する。ちなみにこの 瑞季コールはほぼ私の恒例行事となっている のでクラスの方々はスルーである。  「あのね、熊崎君が遊園地のチケット くれた!遊園地って人多いしカップルいるし この前の条件クリアだよね!っていうかこれ 瑞季からでしょ?ありがとう神!!」  「うんうん、存分に感謝するがいい。」  ポスポス頭を叩かれたが、そんなこと気に ならないくらいにテンションはMax。今なら なんでも出来る気がする。  弁当を広げながら鼻唄を歌っていると、 パンの包装を破っていた瑞季がふと気づいた ように顔を上げた。  「ところであんた、準備できてるの?」  「え、来週だから準備するには早いよ?」  「甘いわ。」  ゴンッと机を叩く。私の野菜ジュースが 1センチくらい飛び上がった。え、何怖い。  「え、なになになにどうした?」  「プランはいくつも考えていくに決まって んでしょ?着ていく服も新調しなきゃよ。 それにあんた唇荒れてるからケアもしなきゃ っしょ?」  「まってなんで瑞季のがガチなの。」  寧ろ怖いくらいなのだが。とか思っている と、瑞季はため息をついてメロンパンを口に 運ぶ。  「そりゃガチにもなるわ。普通ならここ まで遊園地デートにガチる必要ないけど、 あんたらは別。何が何でも成功させたいん でしょ?なら気合いは入れすぎるくらいで 適量なのよ。」  「な、なるほど……!」  そうか、確かにそうだ!気合い入れないと 2年という連敗記録を途切れさせることは 出来ない!  「ありがとう瑞季……私、全力出すわ。 燃え尽きる勢いでいくわ。」  「おう、行ってこいや。もしなんかミスっ たらこっちに連絡して。頼りにならない アドバイスあげるわ。」  「いやそこはそっちも全力出して。」
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