熊崎→西浦 デート

1/6
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

熊崎→西浦 デート

 「西浦、今日空いてるか?」  「え?うん、空いてるよ。どうしたの?」  「…この前気にしてたクレープ屋、そこの 割引券もらった。行くか?」  「え!本当?行きたい!」  というわけで、日曜日にも西浦に会うこと ができた。割引券をくれた姉に感謝だ。  「熊崎君ごめんね!待ったでしょ?」  待ち合わせから少し遅れて西浦が到着 する。遅れたといっても5分くらいだし、 きっちりとメイクや服装を整えられているの を見て、怒るわけがない。  寧ろ、突然誘ったのにめかしこんでくれる のがとても嬉しい。  「いや…俺も遅れてきたから。行こう。」  「うん!」  そういって、西浦がするりと手を恋人 繋ぎにする。…こういうのは男から出来たら 格好がつくのだろうが、俺にそんな度胸は ない。  せめて一緒にはぐれないようにしようと 繋がれた手に力を込め、人通りの多い方を 歩くことにした。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!