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「リゼイロ、朝よ、起きて」
朝の光の中で、微笑む白い影が、私に、囁く。
それは、美しい、私の妻、レイアの声。
私は、ゆっくりと目を開きながら、呟く。
もう少しだけ、眠らせて。
「リゼイロ、本当に、お寝坊さんね」
私は、うっすらと目を開けて、君の姿を垣間見る。
美しい、君。
「レイア」
その時。
響き渡るベルの音で、私は、目を覚ました。
ここは。
私は、誰もいないうすら寒い部屋で目覚めて、絶望する。
ああ。
また、この世界に戻ってきたのだ。
私が、もといた本当の私の世界へ戻れるのは、夢の中でだけだった。
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