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その日の朝、私は、最寄りの駅まで少年が来るのを迎えに行った。
田舎の小さな駅だ。
降りてくる乗客は、彼一人だった。
彼が、電車を降りて、私のもとへと歩いてくるのを見たとき、私は、突然、理解した。
あれが、佐用 兼続、その人なのだ、と。
なぜかは、わからない。
ただ、私には、確かに、わかったのだ。
それは、彼のかけた魔法のせいだったのかもしれない。
私に、言えることは、私には、わかったのだ、ということだけだった。
その時、私は、出会ったのだ、と。
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