カモミール咲く窓辺には

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 どちらにしてもオバさんが昔のアニソンが好きであろう事は分かった。早速その時代のアニソンを調べ始めた。  それから我が家ではいつもアニソンが掛かっている。オバさんも毎日現れるようになった。ひとしきり聞いた後はカモミールティーでブレイクする。いつしかオバさんはテーブルの上でお茶をするようになっていた。  餌付け成功である。いや、一緒に食卓に付くのだからもう家族と呼んでもいいだろう。  娘もすっかりアニソンを覚え、替え歌まで作ってオバさんに聞かせていた。 「好きよ〜 カモミールオバさん  さあさ一緒にお茶しましょ〜♪」  歌を覚えれば元となるアニメも観たくなる。そんな娘の希望に応え夫は押し入れからビデオ(DVDじゃ無いのか!)を出してきて娘を膝に抱き一緒に鑑賞をする。オバさんは植木鉢に腰掛け足をブラブラさせながら楽しそうに観ていた。もしかしたらオバさんは老眼だから遠くからの方が良く見えるのかもしれない。  我が家はそんな楽しい、賑やかな日々を送る事となった。
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