はじめてのクリスマス

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はじめてのクリスマス

彼氏がいるのに、なんでひとりぼっちのクリスマスを迎えなくちゃいけないの? 家に帰るとだれもいない。親は仕事で、お姉ちゃんは大学のサークル仲間と飲み会。 リビングのテレビで好きなバンドのライブディスクを大音量で流したけれど、さみしいものはさみしい。制服から普段着に着替えると、絨毯に転がった。 「朋也(ともや)のばか……」 ボーカルが恋人に会えないつらさを歌いあげていて、心にダメージがくる。つきあったばかりの頃はこれで会いたい気持ちを増幅させたら、デートがより楽しくなったなんだけどなあ。 朋也は私とつきあう前から忙しそうだった。バスケット部が週四でバイトが週二。最近では授業中によく寝るようになった。こうなったら会うのは遠慮しなくちゃ。 わかっているけど、ちょっとは構ってほしいなあ。 他のバンドのディスクを観ようかと考えていたら、玄関のチャイムが鳴った。 「はーい。え、朋也! なに、その格好!?」 玄関には朋也が立っていた。 赤くて裾には綿の飾りがついたサンタクロースの衣装を着ている。ちゃんと帽子もかぶって白い大きな袋を手に持っている。 「梨花(りか)、助けてくれ! おまえ手芸部だから何とかできるだろ」 朋也は私にお尻を見せた。ズボンには大きな穴が空いている。服の隙間からハート柄の下着が見えていた。
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