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ヨッピーは果物包丁でリンゴの皮をむくと、私とヤンキー風半透明男子にも分けてくれた。
「それにしても本当に驚いたよ。いつもなら、この時間は誰も来ないんだもん。
だって普通怖いでしょ?凛ちゃん本当に勇気あるんだねー」
ヨッピーは、リンゴをむしゃむしゃ食べながら私に言った。
やや、この状況に慣れてきた私もリンゴをゴクリと飲み込んで答える。
「ううん。私も本当はすごく怖かったんだけど、住職さんが幽霊なんか出ないって言ってたから」
それを聞いたヨッピーとヤンキー風男子が
ケタケタと笑った。
「それね、嘘だから。あの住職さん超怖がりでさ。夜は絶対に来ないもんね」
ヨッピーがそう言うとヤンキー風男子も付け足した。
「面白いから住職来てる時に、たまにチーンとか鳴らしてみる訳よ。そしたら住職!めっちゃ急いでお勤めして出てくから!」
「えーっ」
あのアメリカンジョークは何だったんだ。
つくづく、人はあてに当てにならないと痛感。
まぁでも、そのお陰でヨッピーにこうして会えたからいいか。
ヨッピー達と話している最中、半透明のお年寄りや着物を着た女性が横を通り過ぎて行った。
この時間はみんな好きな事をして過ごしているようだ。
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