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「えっと、ヨッピー達はいつも何してるの?
昼間とか出てこれないでしょ?」
ヨッピーはニッコリ微笑んで答えてくれた。
「実はね、昼間もウロウロしてんだよね。
やっぱり日の光浴びたいじゃん。晴れた日は、みんな外に出てお墓のベンチとかで話してるよ」
幽霊って夜しか出ないと思ってたけど、それって私の思い込みだったんだ。
「本当に?でも姿見えないよね。どうして?」
誰かにもらったお煎餅をかじりながらヤンキー君が言った。
「だよなー。そこ不思議ポイントだろ。俺も幽霊になって知ったんだけど幽霊ってさ、日の光を浴びている間は姿が見えなくなるみたい。
だから逆に昼間は好き放題出来るってこと。昼間は空気みたいに姿も見えずに声も聞こえない。だから幽霊の目撃情報は夜が多いんだよ」
「じゃあ普段、私の回りにもウジャウジャ幽霊がいるの?」
ヨッピーがチッチッチッと人差し指をたて
左右に振りながら少し悲しげに言った。
「それがさ、やっぱりダメなんだよね。自分のお骨がある近くしか居れないんだ」
「どうして」
「居心地が悪いと言うか、落ち着かなくて。
すっげぇ強い念とかそんなのがあれば、死ぬ覚悟で遠くまで行けるだろうけど」
ヨッピーの言葉にヤンキー君が突っ込む。
「死ぬ覚悟いらん。もう死んでる!」
いつの間にか横に座っていた半透明のおじさんも一緒に、みんなで笑った。
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