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私は思いきって聞いてみた。
「じゃあ、ヨッピーはずっとここにいるの?
来年も再来年も。永遠に・・・?」
そう言った私は、なんだか切なくなり涙が出た。
会いたくて会いたくて仕方なかったヨッピーに会えた事はすっごく嬉しい。
でもここにいる人達がずっとここで生活していくなんて、寂しすぎてかわいそうで。
ヨッピーが私の手の上に手を重ねた。
やはり感触はない。
ヨッピーは幽霊なんだ。
「凛ちゃんは優しいんだね。でも心配しないで。僕達はずっとここにいる訳じゃないんだ。生まれ変わりの順番が来たら、また新しい人生を歩めるんだよ。実は、僕もあと数年で出れそうなんだ」
ちょっと恥ずかしそうにヨッピーが言うと、ヤンキー君が得意気に言った。
「俺は半年後、医者の息子として生まれ変わるんだ。セレブだよ、セレブ。
思いっきり金を使ってやるぜ!」
すると花の水切りをしていた半透明おばあさんが言った。
「生まれ変わりと言っても記憶は無くなっちまうんだよ。せいぜいお勉強を頑張って、今度はまともな人生を送る事だね」
「へい、へい」
ヤンキー君は頭を掻きながらスゥーと消えた。
その時、誰かが私のスカートを、くいくいと引っ張った。
見ると、半透明の幼い女の子が小声で教えてくれた。
「お姉ちゃん、バスで帰るんでしょ?
最終バス、もうすぐだよ」
時計を見ると針は19時12分を指していた。
最終バスは19時20分。それを逃すと帰れなくなる。
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