1人が本棚に入れています
本棚に追加
私は女の子にお礼を伝え、ヨッピーを見た。
とうとうお別れの時が来てしまった。
ヨッピーと一緒にいたい。
今、離れたらもう2度と会えなくなってしまいそうな気がする。
するとヨッピーが真剣な表情で言った。
「今日会えて本当に嬉しかったよ。
来てくれて心から感謝してる。
でも凛ちゃんの世界はここじゃない。
生きている今を大切にして楽しんでね。
それから、もう夜は来ちゃ行けないよ。たまに寂しがり屋の幽霊もいて、厄介な事になりかねない。
昼間、来てくれても僕に伝わっているから」
涙が止まらない。
ヨッピー大好き。
ヨッピーは私の王子様だよ。
ヨッピーありがとう。
私、頑張って生きていくね。
ヨッピーが、出口まで送ってくれた。
振り返るとたくさんの半透明さん達が笑顔で手を振ってくれていた。
私は木の扉を開けると、みんなに深々と頭を下げた。
涙がポトポトとこぼれ落ちる。
そして震える手で扉を閉めようとした時、
ヨッピーが私の頬っぺたにキスしてくれた。
そして内側から扉を閉めてくれた。
私は鍵を閉めると植木鉢の下に入れ、急ぎ足でバス停に向かう。
遠くにバスのライトが2つ見えた。
少し冷たくなった頬っぺたに手を当てると、心がほんのり温かくなった。
最初のコメントを投稿しよう!