退屈な毎日

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「お疲れ様です」 爽やかに笑ってマーケティング部に戻ると女性社員達が昼休憩から帰って来た所だったようで、わらわらと俺の周りを取り囲んだ。 「橘さん、お疲れ様です〜。橘さんも外でお昼だったんですか?」 若い子達は元気だねーなどと思いながらも女性社員からも人気のあるらしい俺は愛想笑いで返す。 「んー、ちょっと仕事でねーお昼食べ損なったんだよねー」 「そうなんですか?橘さん仕事出来ますからね。いつもまともにお昼食べてない感じですけど、あ、これ良かったら食べて下さい。つい作りすぎちゃって」 女性社員が何気なく差し出してきたお弁当を見て内心タダ飯だと喜んでいた。 「いいのー?ありがとう。お腹減ってたんだよねー」 少しはにかみながら手渡す彼女を見て俺になんて手作り弁当作ってきてもらっても恋愛感情なんて湧かないから意味ないのになぁ、ゲイだから、なんて思ってはいるがこんな女性はいじらしいなとも思っていた。 男もこんなだったら見方が変わっていたのだろうか。 自分のデスクで弁当箱を開くと、美味そうと言い食べ始める。 自分でも一応簡単な自炊はするが大抵面倒臭くて余りやる方ではなかったので、こうして女性社員達からお昼に差し入れがあるのは有り難かった。 食べ終わった俺は弁当箱片手に給湯室へと向かい、いつも通りお弁当箱を綺麗に洗って拭き終わると女性社員にお礼を言って返すのもいつもの事だ。 「ありがとねー。料理上手なんだねー美味しかったよ。これで午後の仕事も頑張れそうだ」 笑顔でお礼を言うと女性社員は薄っすら頰を染めながら微笑んだ。 「良かったです。お口に合って。良かったら、また作って来ましょうか?」 「んー、ごめんねー。俺のスケジュール的に今日みたいに食べられるか分かんないからさ、気持ちだけ貰っとくよ。ありがとうね」 俺は無駄にしちゃ勿体無いからと付け足すと仕事が溜まってるからとデスクに戻って行った。 今日は午後から会議かぁ、多分今回のマネジメントの担当俺だろうなぁ、まだ決定事項じゃないが会議までまだ1時間半か、書類チェックして担当決まったら現場だな。
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