第3章

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「んー!今日も走った、走ったー!しっかし、新入部員だってのにハードだよなー。爽快だけど、片付け面倒だよなー」 「文句言うな」「はいはい」 上田は気心知れてるけど、あの話は未だに出来ない。 まだ、忘れられない俺の記憶。昨夜、夢に見て飛び起きてしまった。 走ってる時だけは忘れられる。なにも考えなくてもいい。中学の時は走る事が楽しかった。でも、今はただあの人の事を忘れる為だけに走ってるような気がする。 あんなに走る事が楽しくて好きだったのに、今じゃただ、がむしゃらに走って走って忘れる事に必死になってる。 ただ、走る事を楽しみたいのに。 今はそんな気持ちの余裕は無い。
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