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ハァハァと呼吸をする妹の全身は汗ばみ、高熱でうなされているように見える。
汗で服が濡れるのは、体に良くないと思い、服を脱がしていく。
ベッドに仰向けで寝ている妹の体には、白と水色のボーダー柄のパンツと白の靴下しか身に付けていない。
妹の靴下を脱がせていくと、妹の足の匂いがする。
今日は体育の授業があったのか少しだけ匂う。
両足の靴下を脱がせた時に、どこからか声がする。
「ご飯出来たよー」
それは、母親の声だった。
突然聞こえた母の声に驚き、ビクッとしてしまう。
それまでドキドキしていた心臓が急にバクバクと激しく鼓動した。
母は夕食の準備を終えて台所から大声で俺達を呼んだのだった。
妹はベッドから起き上がり、柄物のTシャツを着始める。
俺は先に部屋を出てリビングに向かった。
リビングのテーブル席に皆揃い食事を始める。
何故か妹の名月は不機嫌そうな顔をしている。
妹の顔を見ていると、妹は俺に気付いて「ふん!」と横を向いた。
なぜか顔を合わせてくれない。
母親は「なーに?お兄ちゃんとケンカしているの?」と妹の名月に言うと、名月は「そんなんじゃないもん」と不機嫌そうに言った。
母は「そう?」と微笑んで妹を見てから俺を見る。
俺は母に見られてドキッとしてしまう。
もしかして、母は俺達の事を知っているのでは?と考えてしまう。
まさか、そんな事は無い!
・・・と思う。
自分では隠しているつもりでも、バレバレなのかも知れない。
気を付けてなくては!
再び妹を見ると着ていた柄物のTシャツには、小さな胸の膨らみと小さなポッチの膨らみが見えた。
食事が終わり、自分の部屋に戻るとベッドに横になって考え事を始めた。
夢の中な事、彼女のサヤメの事、妹の名月の事。
俺は何をしているのだろうか?
このままで良いのだろうか?
俺が一番幸せを願う相手は誰なのか、自分を問い詰めてみるが、みんな大事で一番を決められなかった。
ふと気付いたが、夢の中の人は関係無いのでは?夢なんだし。
幼なじみで彼女のサヤメか、俺の妹の名月かの2択に減ったけど、決められないのは変わらなかった。
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