仮2

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仮2

気が付くと俺はベッドの中でうなされていた。 悪い夢を見ていたようだ。 夢の中の世界で小学生のような同級生の俺の彼女と子供を作っていたが、その彼女の中身が俺の実の妹だった。 そんな酷い夢を見たのは、俺が妹にした事への罪の意識や罰なのかも知れない。 夢の中でうなされていた時に出た汗でパジャマが濡れてるので気持ち悪い。 シャワーを浴びて着替えるかな。 部屋を出ると、丁度隣の部屋のドアが開き妹が出て来た。 俺は夢の中の恐怖でドキッとして、そのまま固まってしまう。 妹は、俺の顔を見てニコニコしながら「お兄ちゃん、おはよー」と明るい声で挨拶をした。 俺も恐る恐るではあるが「おはよう」と返事を返した。 妹は俺の手にしている物を見て「お兄ちゃん、お風呂に入るの?」と聞くので頷く。 妹は、ニヒヒッと笑いながら「じゃあ、私も入るかなー」と言っていた。 妹の笑顔は可愛いけれど、今度に限って悪魔のように見えた。 「久し振りに一緒に入っていい?」と妹が言うので俺はブンブンと首を横に振った。 高校3年生の俺が高校1年生の妹と一緒に風呂になんて入ったらダメに決まっている。 もしも一緒に風呂に入ったら、俺は歯止めが効かず妹の中にまで入ってしまいそう。 ここは現実世界で夢の中では無いのだから、間違いを起こす訳にはいかない。 妹は、残念そうに歩いて行った。 俺は風呂に行くのだが、風呂とトイレが隣にあるので、妹の直ぐ後ろを歩いていた。 『まるでストーカー』と思ってしまった。 妹がトイレに入ると俺は脱衣室で汗で湿っているパジャマを脱ぎ始める。 トイレからチョロチョロと水が流れる音が聞こえてきた。 妹がオシッコをしている音だ。 俺が聞き耳を立てているとトイレの中から声を掛けられた。 「ねえ、お兄ちゃん。聞こえてる?」 俺は『聞こえてる』とは答えられない。 妹からの問いかけの事なのか、それとも水の音なのか判断が付かない。 「聞こえていたら、トイレットペーパー取ってくれないかなー。お兄ちゃん」 これは、罠なのか?トイレットペーパーはフェイクで、俺が音を聞いていたのか知りたいのかも。 もしも、俺が音を聞いていた事がバレたら妹に半殺しにされるかも? 怖くて息を潜ませる。ここでバレてはいけない。 「お兄ちゃん?お兄ちゃん居ないの?」 返事をしないでジッとしていたら、トイレのドアが少し開いた。 ビックリして1歩下がるとドアが開き、パジャマのズボンとパステルブルーのパンツを膝まで下げている妹がトイレから出て来た。 本当にトイレットペーパーが無くなっていたみたい。 妹と目が合うと妹も驚いた表情で動きが止まる。 昨日は見る事が出来なかった妹の陰毛が見える。 俺は驚きながらも棚の中にあったトイレットペーパーを妹に渡していた。 妹は戸惑いながらも受け取りトイレに戻った。 すると突然トイレの中から悲鳴がする。 何事かと急いでトイレのドアを開けるとトイレットペーパーを持ったまま便座に座っている妹が俺を見る。 妹の顔は赤く、涙を浮かべていた。 あっ! 俺は、そこで気付く。やってしまったのだと。 トイレのドアを急いで閉めるとパンツを脱いで風呂場に逃げ込んだ。
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