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「一番でゴールするところを見せたかったんでしょう?」  瑠美ちゃんはにこにこしながらカケル君をからかっているが、そのからかいにどこか恋愛的なニュアンスが含まれていて、面倒なイベントに巻き込まないでよ、と冷めた目で二人のやり取りを見てしまう。 「ちげえよ! つぅかルミ、そんなん言うんだったらなぁ――」  と、カケル君が突然後ろを向き、すぅ、っと大きく息を吸う気配がした。  何? と瑞希も視線を向けていると、 「おーい! キョウゴー!!」  一番窓際の、ちょうど真ん中あたりにいる大柄な男の子、キョウゴ君に向けて大声で叫んだ。 「ぎゃぁああああーー!! やめてーっ!!」  瑠美ちゃんが慌ててカケル君の口を両手で塞ぐ。顔面を思いっきりビンタしたような勢いに瑞希も思わず苦笑いしてしまったけど、「大丈夫?」なんて、別に口には出さない。  一拍遅れて発せられたキョウゴ君の「何?」という問いかけには、「何でもないよっ」と瑠美ちゃんが顔を真っ赤にして返事をしていた。
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