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君も知っている通り、今の僕にはもう、あんな力はない。風の囁きから雲の動きを読み解き、虫の言葉を聞いて明日の嵐を知ることは、もう僕にはできない。
そして、僕が今一番恐れていることは、孤独だ。
全ては、君を知ってから変った。
君をはじめて知った日は、いけないと思った。まるで危険で忌まわしいもののように、僕は君から遠のいた。
それでも今こうやって君と手を取り合って逃げ続けているのは、やっぱりなるべくしてこうなったんだろうと思う。
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